太田弦×作曲家の自作自演集
アーティスト×WebマガジンONTOMOがお送りする「ONTOMOプレイリスト・プロジェクト」。今をときめくアーティストの皆さんがテーマを決めたプレイリストを作成、選曲についてのコメントも公開します。今回は指揮者・太田弦さんによる「作曲家の自作自演集」。
●エルガー(作曲/指揮):エニグマ変奏曲~「主題」
●ラフマニノフ(作曲/ピアノ):ピアノ協奏曲第2番 ハ短調~第1楽章
●ウィリアム・ウォルトン(作曲/指揮):交響曲第1番 変ロ長調~第1楽章
●フランツ・レハール(作曲/指揮):ワルツ《金と銀》
●スーザ(作曲/指揮):マーチ《星条旗よ永遠なれ》
●ショスタコーヴィチ(作曲/ピアノ):ピアノ協奏曲第1番~第1楽章
●アンダーソン(作曲/指揮):タイプライター
●ブリテン(作曲/指揮):セレナーデ~「プロローグ」
●ハチャトゥリアン(作曲/指揮):《仮面舞踏会》組曲~「ワルツ」
●ガーシュウィン(作曲/ピアノ):ラプソディ・イン・ブルー
選曲ノート by 太田弦
ここでの自作自演とはもちろんマッチポンプなどのことではなく、作曲家が自分の作曲した作品をみずから演奏、または指揮することを指しています。 作曲家は楽譜を書き残し、演奏するのは他人に任せるというケースがほとんどのクラシック音楽において、非常に興味深い分野だと思っています。
僕もかつては、いろいろな演奏を聴いて楽しんでいましたが、専門家になるにつれて、とくにその時に関わっている作品については、他の人の演奏を聴くことがほとんど無くなってしまいました。 指揮者として、他人からの影響を何となく避けたくなる心理が働いているのかもしれませんが、それよりも昔の自分が名演だと感じていた録音を、今の自分が身につけてしまったさまざまな知識のようなもののせいで、否定的に聴いてしまうのが嫌だからなのかもしれません。
そのように少し素直ではなくなってしまった自分が、心置きなく楽しめるのが自作自演です。 楽譜と全然違う人とかなり忠実な人、作曲からの年数によって演奏が変わる人と変わらない人などなど、それぞれの作曲家の個性のようなものが聴き取れるような気がしています。
もちろん古い時代の作曲家の録音などは存在しませんが、こんなものが残っているのか! という発見もたびたびありますし、この分野に注目して楽しむきっかけとなりましたら幸いです。
1994年北海道札幌市に生まれる。幼少の頃より、チェロ、ピアノを学ぶ。
東京芸術大学音楽学部指揮科を首席で卒業。学内にて安宅賞、同声会賞、若杉弘メモリアル基金賞を受賞。同大学院音楽研究科指揮専攻修士課程を卒業。
2015年、第17回東京国際音楽コンクール〈指揮〉で2位ならびに聴衆賞を受賞。指揮を尾高忠明、高関健の両氏、作曲を二橋潤一氏に師事。山田和樹、パーヴォ・ヤルヴィなどの各氏のレッスンを受講する。これまでに読売日本交響楽団、東京交響楽団、東京フィルハーモニー交響楽団、札幌交響楽団、群馬交響楽団、名古屋フィルハーモニー交響楽団、大阪フィルハーモニー交響楽団、大阪交響楽団などを指揮、今後さらなる活躍が期待される若手指揮者筆頭。2019年4月から2022年3月まで大阪交響楽団正指揮者を務める。2023年4月より仙台フィルハーモニー管弦楽団指揮者に、2024年4月より九州交響楽団首席指揮者に就任。
2021年2月、オクタヴィア・レコードより交響曲 第8(9)番 ハ長調 D944 「ザ・グレイト」(新日本フィルハーモニー交響楽団公演ライブ収録)をリリース、新型コロナウィルスによる緊急事態宣言開けに行われた公演の緊張感の中、太田のエネルギー溢れる「グレイト」が聴衆の話題をさらった。2024年7月には、同年4月に九州交響楽団首席指揮者就任記念コンサートとして開催した第420回定期演奏会のライブ録音のCDがオクタヴィア・レコードより発売、好評を博している。2025年、第23回齋藤秀雄メモリアル基金賞(指揮部門)を歴代最年少で受賞。
©Takafumi Ueno
●7月26日(土)14:00
会場:小田原三の丸ホール
●7月27日(日)14:00
会場:グランシップ 中ホール・大地
指揮: 太田弦
共演: 毛利文香(ヴァイオリン)、上野耕平(サクソフォン)、竹平晃子(ナレーション)
日時: 2025年8月7日(木)19:00
会場: ミューザ川崎シンフォニーホール
指揮:太田 弦(九州交響楽団 首席指揮者)
ソプラノ:高野百合絵 *
曲目
小出稚子:博多ラプソディ
ビゼー:歌劇『カルメン』から *
第1幕への前奏曲 – ハバネラ – セギディーリャ – 第2幕への間奏曲(アルカラの竜騎兵) – ジプシーの歌
ショスタコーヴィチ:交響曲 第5番 ニ短調 op.47
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